夢主を作ればいけると思ったけど図地藤華夢主って「自分に救われて縋って一緒に死にたがってくれる同い年の女の子」じゃん。おわりです。
図地藤華がガムテ拘束無理心中しない理由:図地藤華がそんなことする精神状態の場合めぐりがそんなに抵抗しない
グギギギギ…ガムテ拘束無理心中エンドが見たいわたしと、「図地藤華はガムテ拘束無理心中なんてしない」というわたしの戦争
ガムテ拘束無理心中エンドって何ィ!?
もっとイチャイチャしろとは思わない!!!!!!!!!!!!
冬の海の場合は!!!!!!!!!!!!!
このくらいの距離感でいい!!!!!!!!!!
ガムテ拘束無理心中エンドはもっとイチャイチャしてほしい
冬の海の場合は!!!!!!!!!!!!!
このくらいの距離感でいい!!!!!!!!!!
ガムテ拘束無理心中エンドはもっとイチャイチャしてほしい
ハァ…ハァ…はかめぐ…?
はかめぐか? これ
はかめぐじゃないかも
はか+めぐかも
はかめぐか? これ
はかめぐじゃないかも
はか+めぐかも
冬の海で死ぬなら崖から飛び込むとかの方が上手くいきそう
冬の海、夜、砂浜から波打ち際、膝までつめたい海水に浸かって。
半歩先、ざぶざぶ深みへ進んでいく藤華の横顔を追いかけるように、私も沖の方向へと足を進める。
まわりはお互いの姿も見えないくらい暗くて、水を掻き分け進む足音は、風の音と波の音にかき消されてしまう。
海に浸かった下半身よりも、顔と手が冷たかった。繋いだ指先の感覚がもうない。
見えないし聞こえないし感じないから、私も藤華も、なんだかもうそこにいないみたいだった。
「さむいね」
立ち止まり呟いたのは、藤華がまだいるんだってことを確かめたかったからだ。
けど、たぶん……聞こえなかったのかな。
藤華は気づかないまま、また一歩進んで。
ふたりの距離が開いて、繋いだ腕がぴんと伸びて。
それでやっと私が止まったことに気づいたようで、藤華はこちらを振り返る。
海面の高さは藤華の腰、私のお腹くらいで、波が寄せ返す度ちょっと体がもっていかれる。
ぐらぐら揺れながら。やっぱり暗くて、藤華の髪も瞳も、私の目にはなにも見えない。
それでも、なんとなくだけど、藤華は私と目を合わせてくれている気がした。
一生懸命耳を澄ますと、風と波の隙間から藤華の呼吸の音が聞こえる。
ぎゅっと繋いだ手に力を込めて、緩めてを繰り返せば、鈍くても藤華の骨ばった指の感触を感じて。
「……かえろ」
深く考えて発した言葉じゃなかった。
口が先に動いて、理由は後から追いついた。
「……帰らない」
「かえろうよ」
「なんで。」
「んー……」
手を引く。
藤華が、一歩私の方……陸側へとよろめき戻る。
「かえってさ」
「……」
「シチューとかたべようよ」
「…………一緒に来てくれるんじゃなかったの」
「……ちゃんとついてくよ」
まだ海の方へ体が向いている、藤華の正面側へ。今度は私が、時間をかけてじゃぶじゃぶ移動して。
離すと見失っちゃいそうだから、手は繋いだまま。
「でも、もうちょっとあったかいところで死のう?」
空いた手を伸ばし、ぺたぺたと藤華の側面を触って。だらんと垂れて水に浸かっていた、藤華のもう片方の手を探り当て、掬い上げ。
「だって、藤華すごい寒そうだよ」
「……」
藤華の影かたちがちょっと揺れて。
一呼吸のあと、掴んだ手がやんわりと握り返される。
私はそれを「わかった」と受け取って、両手を繋ぎ合ったまま、舞踏会で踊るみたいにぐるっと180度回転した。
海側の私が陸側へ。陸側の藤華が海側へ。
私はそのまま、後ろ歩きで藤華を陸の方へ引っ張っていく。
「……寒いから、ついていくけど」
藤華がぼそっと零した声が、きちんと私に届く距離。
「それでも寒いのは変わんないな」って思いながら、私が頷くのが、藤華へ気配で伝わる距離。
「転んだらそのまま沈めるから」
「こわっ」
物騒な言葉にぎょっとする。
ぜんぜん笑えないけど、冗談が言えるならあとすこしの間は、たぶん大丈夫。
藤華んちの近所のコンビニって、野菜売ってたかな。
海の香りに、クラムチャウダーもいいなあとか、呑気に考えるのはただの現実逃避だ。
でも、藤華が最期の一瞬、他の何でもなく「寒いな」って思うとしたら、それは私にはどうしても嫌だったから。
だから、もう少しだけ。
耳を塞いで、痛みを遠ざける弱さを。
藤華を「生きてる」に繋ぎ止める我儘を。
私は私へ、身勝手に許していたかったのだ。畳む
冬の海、夜、砂浜から波打ち際、膝までつめたい海水に浸かって。
半歩先、ざぶざぶ深みへ進んでいく藤華の横顔を追いかけるように、私も沖の方向へと足を進める。
まわりはお互いの姿も見えないくらい暗くて、水を掻き分け進む足音は、風の音と波の音にかき消されてしまう。
海に浸かった下半身よりも、顔と手が冷たかった。繋いだ指先の感覚がもうない。
見えないし聞こえないし感じないから、私も藤華も、なんだかもうそこにいないみたいだった。
「さむいね」
立ち止まり呟いたのは、藤華がまだいるんだってことを確かめたかったからだ。
けど、たぶん……聞こえなかったのかな。
藤華は気づかないまま、また一歩進んで。
ふたりの距離が開いて、繋いだ腕がぴんと伸びて。
それでやっと私が止まったことに気づいたようで、藤華はこちらを振り返る。
海面の高さは藤華の腰、私のお腹くらいで、波が寄せ返す度ちょっと体がもっていかれる。
ぐらぐら揺れながら。やっぱり暗くて、藤華の髪も瞳も、私の目にはなにも見えない。
それでも、なんとなくだけど、藤華は私と目を合わせてくれている気がした。
一生懸命耳を澄ますと、風と波の隙間から藤華の呼吸の音が聞こえる。
ぎゅっと繋いだ手に力を込めて、緩めてを繰り返せば、鈍くても藤華の骨ばった指の感触を感じて。
「……かえろ」
深く考えて発した言葉じゃなかった。
口が先に動いて、理由は後から追いついた。
「……帰らない」
「かえろうよ」
「なんで。」
「んー……」
手を引く。
藤華が、一歩私の方……陸側へとよろめき戻る。
「かえってさ」
「……」
「シチューとかたべようよ」
「…………一緒に来てくれるんじゃなかったの」
「……ちゃんとついてくよ」
まだ海の方へ体が向いている、藤華の正面側へ。今度は私が、時間をかけてじゃぶじゃぶ移動して。
離すと見失っちゃいそうだから、手は繋いだまま。
「でも、もうちょっとあったかいところで死のう?」
空いた手を伸ばし、ぺたぺたと藤華の側面を触って。だらんと垂れて水に浸かっていた、藤華のもう片方の手を探り当て、掬い上げ。
「だって、藤華すごい寒そうだよ」
「……」
藤華の影かたちがちょっと揺れて。
一呼吸のあと、掴んだ手がやんわりと握り返される。
私はそれを「わかった」と受け取って、両手を繋ぎ合ったまま、舞踏会で踊るみたいにぐるっと180度回転した。
海側の私が陸側へ。陸側の藤華が海側へ。
私はそのまま、後ろ歩きで藤華を陸の方へ引っ張っていく。
「……寒いから、ついていくけど」
藤華がぼそっと零した声が、きちんと私に届く距離。
「それでも寒いのは変わんないな」って思いながら、私が頷くのが、藤華へ気配で伝わる距離。
「転んだらそのまま沈めるから」
「こわっ」
物騒な言葉にぎょっとする。
ぜんぜん笑えないけど、冗談が言えるならあとすこしの間は、たぶん大丈夫。
藤華んちの近所のコンビニって、野菜売ってたかな。
海の香りに、クラムチャウダーもいいなあとか、呑気に考えるのはただの現実逃避だ。
でも、藤華が最期の一瞬、他の何でもなく「寒いな」って思うとしたら、それは私にはどうしても嫌だったから。
だから、もう少しだけ。
耳を塞いで、痛みを遠ざける弱さを。
藤華を「生きてる」に繋ぎ止める我儘を。
私は私へ、身勝手に許していたかったのだ。畳む