ゆかりさんのこととかいまでもおもいだします
みんなちがってみんないい みんなへ祈る みんなすき
後継者が現れたからと言って引退するわけではないです(※重要)
なんで莉優さんの設定をひっくり返しているかというと、たぶん瑞稀ちゃんが莉優さんの巫女周りの設定の正当後継者だから…
リユさん莉優さんの設定考えるとき、他世界線のリユさん莉優さんの設定を読みながら書いた記憶はないんですが、それでも思ったより似通ってるので「ほえー」ってしています
セトさん側のあれがふんわりだから結構幅があっておもしろいです
さまざまな莉優さん
ビガミ莉優さんの所属独自流派
《概要》
流派名:槿花第一高校地域復興委員会
条件:槿花町の元住民であること
流儀:地域復興のカギを見つける。
仇敵:隠忍の血統
首魁:彼方莉優
構成員:彼方莉優、ミカミセト
《設定》
槿花という都市にある公立校「槿花第一高校」の「地域復興委員会」を名乗る若い男女2人組。
「槿花」という地名も「槿花第一高校」という学校も地図上――ひいては、この世界には実在しない様だが、二人はそれらを探している。
「槿花市」は、これまで隠忍の血統が執り行ったシノビガミ復活の儀式のうちの、些細なひとつにより滅びた土地。
出島が「封鎖された」区域とするならば、槿花町は「失われた」区域。
空間が丸ごと押しつぶされる形で消滅したため、現代には"存在しない"。
かつて存在したことを覚えている人間もいない。
莉優は空間が押し潰される過程で発生した歪みに巻き込まれ、奇跡的な確率で外にはじき出され生還。
しかし、ほんの一瞬ではあるものの忍神を目撃。また、「 」に触れてしまったためシノビとしての力が開花することとなる。
セトの正体は不明。
二人は、槿花市を取り戻す方法を探し、日本中を旅している。
《ミカミセト》
槿花の土地神。
槿花があり得ない方法で消滅したことを逆手に取り、「槿花は偏在している」という拡大解釈でもって外界へ顕現し、莉優と共に暮らしている。
滅びより莉優を生かしたのは彼の力。理由は、彼女が幼少期よりの「話し相手」であるため。(つまりは「 」に触れる前から「そういった素養」はあったということになる。)
寂れた祠の狐神で、元々「存在する」のがせいぜい。強い権能は持たなかったのだが、現在は莉優という「力ある者」の強い信仰によりむしろ強化され、一般シノビ相当の力は振るえるようになっている。
莉優の幸福を祈っている訳でも不幸を祈っている訳でもない(どっちに転んでもおいしい)が、唯一の関心対象なので存在はしてほしいと思っている。
あと信仰は絶やされると死ぬので廃人ルートはちょっと困る。
槿花復興はまあ、ぶっ壊された家が戻ってくるならそれに越したことはないよね、くらいの感覚。
莉優がやりたいって言ってるので協力している程度。
別の世界の莉優さん
《プロフィール》
きほん元気。たまに不穏。
みためよりは思慮深いぞ!
5年前に起きた"消滅区域"の"災害"の、数少ない生き残り。
現在は高校に通いつつ、戦闘員的な役割でパルテノン末端に所属しているほか、趣味で配信活動を行っている。
家族は"災害"で失っているため、国支給の被災者支援金とパルテノンからの給与、配信の収益で一人暮らし中。
①"消滅区域"に関する情報収集
②「全聖遺物の無力化(破壊/完全封印)」へ向けた足がかり
③「聖遺物回収/管理による被害の最小化」の理念へ共鳴
④Revealerのテロの防止
を理由として、パルテノンに所属し活動している。
上層部にしかできないこと、知り得ないことが多いので、とりあえず出世したいらしい。
《異能》
『螢石の杖(フローライトロッド)』 異能系統:信仰(聖遺物[土着級・原典])
聖印と携帯神殿を兼ねる石の杖。
所持者は杖に宿る名も知れぬ神と契約を結び、信仰を対価に権能の一部を借り受ける。
基本的には石を生成し操作する能力。
障害物の生成、浮遊盾として自分や味方へ付与、薄い刃にして飛ばすことで攻撃、敵の足と地面を固定して移動妨害……等。
意志の杖、でもあるので精神正常化能力もある。
見た目が魔術めいているので精霊系統に誤認されがち。
外見は大きな蛍石がはめこまれた杖で、普段はペンダント状に変形している。
《来歴》
5年前の災害の生き残り。
消滅区域時代はごくごく普通の子供。未就学児時代は人見知りだったかも。
"災害"以降は国営の児童養護施設で育つ。
生存者であるという事実や杖の関係、パルテノンからの接触は当時から多かった模様。
《思想》
「聖遺物は人間の手に余るものなので、最終的にはひとつ残らず無力化(破壊/完全封印)すべき」という思想を持つ。
すぐにそれが出来るわけではないのは理解しているため、「回収/管理」を掲げるパルテノンの理念に共鳴し行動している。
《配信活動》
高校入学と同時期に趣味の一環として配信活動を始めた。
個人で活動しており、名義はliyu。普通に顔出ししてる。
活動内容はしゃべったりゲームしたり歌って踊ったり。個人だけどギリギリ収益化ラインに乗っているくらいのイメージ。
《対各組織》
・パルテノン
雇い主。
所属までの流れは凡そ、"災害"以降の接触の中での成り行き。
受けた動機は「理念への共感」「全聖遺物無力化の第一歩」「"災害"についての情報収集」「収入源の確保」「螢石の杖を合法的に所有したい」「Revealerを壊滅させるため」等。
"災害"について、何か隠されているのは察している。
諸々の目的のため、とりあえずはパルテノンの中で出世することを目標としているらしい。
・Revealer
明確に仇敵。
あんな気持ちになるべき人なんて一人もいない。
だから止める。
・対異能対策課
なんだかんだ協力者。
色々と気にかけてくれていることを肌で感じているので感謝している。
《"災害"》
wiki内「消滅区域」の項目を参照のこと。
ただし、彼方莉優は青銅の鍵のことも天秤のことも何も知らない。
故に心のどこかで「空間が切り離されただけで、故郷やそこに居る人々はまだ存在しているのではないか」という望みを抱いている。
"災害"の情報を集めるのは行動指針の一番上。
《螢石の杖》
元々はとある祠の御神体であり大きな蛍石だったが、"災害"の折に彼方莉優と契約を行うことで杖となった。
「女児向けアニメの杖」の様な意匠は、幼少期の莉優が話していたのを思い出した神様の遊び心。
杖になる前は自我を持ち喋っていたのだが、権能を持つ(杖になる)代償としてそれらの能力は喪われている。
彼方莉優は、その「喪失」を「消滅区域に取り残された」と解釈しており、再会の可能性をある程度想っているが、実際には不可逆。
聖印と携帯神殿を兼ねており、神使たる契約者(莉優)や杖の齎す奇跡への「信仰(信頼/信用)」を「神への信仰」と置き換える性質を持っている。
時間経過により異能が成長するのは、莉優の成長により「引き出せる権能の幅」が上がると同時に、周囲の(莉優への)信仰力により「杖自体の出力」が上がっているため。
《祠》
"消滅区域"内の山の中腹に位置する、蛍石坑道の入口脇に置かれた祠。御神体は大きな蛍石。
採掘の安全を祈願する目的で作られたもので当初は信仰を集めていたものの、鉱脈が枯れ、坑道が閉鎖されて以降訪れる者はほとんど居なくなった。
彼方家が山の管理者なので、幼少期の莉優は庭の延長の様な感覚で坑道周辺を歩いており、なんやかんやで喋る石こと御神体と友達的な感じになるなど。
莉優が"災害"の際生き残ったのは、祠近くにいたことで神との契約を行う機会を得たため。
彼方莉優は「"災害"からの生存」を願い、対価として「生涯神の神使として生きること」を請け負っている。
曲がりなりにも山の守護神の神使である、という自負が彼女の在り方にまあまあ影響している、かもしれないし、そうでもないかもしれない。
ロウェル・カレッジのリユさんの設定
《リユとセトについて》
アキツシマより幾分か離れた場所に、小さな塔があった。
塔には魔法文明時代の遺跡が残っており、中には魔法文明時代に罰として封じられた「セト」と、その看守「アカツキ」が眠っていた。
ふたりはアンティークであり、現在においては考えられない程様々な魔法を行使することが出来る。
アカツキ、セトは大崩壊が起きても目覚めなかったが、しばらくして塔に人が住み始めたころ、アカツキが「生命維持装置の魔力不足」により目覚めた。
「生命維持装置」には定期的に血液を補充せねばならず、それが尽きると封印(コールドスリープ)が解けるように設定されていた。
アカツキが施設から外に出ると、塔には大崩壊により技術を失った何も知らない人々が暮らしていた。
原住民はアカツキとセトが封じられた施設をご神体の様に信仰しており、祠から出て来たアカツキは神としてあがめられる事になる。
事実、当時の人々とアカツキでは技術においても魔術に置いても比べようが無いほど差があったので、ひとまずアカツキは神の立場を受け入れることとした。
アカツキは、民に戒律を教えた。
まず、邪神たるセトの祠は絶対に開かないこと。
何らかの事情によりセトの祠が開いてしまった時は、自動的にアカツキの祠も開くようになっているが、アカツキが現れない様であれば手動でアカツキの祠を開くこと。
そして、年に一度、アカツキとセトの祠に一定量の血液を捧げる事、というものだった。
目的は、自身とセトの生命維持装置を停めないため。
1年に1度であれば大した量の血液は必要無いので、人身御供というわけでもなく。
アカツキは信頼できる一族に血液を捧げる役目を託し、後にこの家系は神職の様に扱われる事となる。
アカツキは、一通りの教えを民に与えると、セトが目覚めてしまったときのためまたコールドスリープに戻った。
それからかなりの時が平和にすぎた。
ある時、この塔をヴィクトリア・シティの探空士が発見した。
探空士は航空ギルドを介してヴィクトリア・シティへこの塔を売り、ヴィクトリア・シティはこの塔を開拓すべく開拓民を送り込んだ。
原住民と開拓民の争いは日に日に苛烈さを増していく。
そんな世界を、巫女として生きていたのがリユだった。
集落の奥の社にて巫女はひとり祈る。
仲間の無事を。自分たちの安寧を。
戦地へ赴く戦士へ祝福を授けるのも巫女の役目だった。
戦士の両手を取り、「無事戻りますように」と。
巫女にはちょっとした未来視の能力があった。
毎日毎日、死ぬことが分かり切った民を。時によっては友や家族を、微笑み、激励し、送り出していた。
送り出さなければ、近くもっと多くの人が死ぬのだと理解していた。
日に日に人員を失っていくなか、ある日、原住民の一派がアカツキの祠を破壊した。
引きずり出されたアカツキは彼等に連れられるがまま前線に出たが、装置の破壊により強制的に目覚めさせられた身体では万全の力は振るえず、敵の砲撃で殺された。
神は死に、憤った民は愚かにもまた武器を握った。
唯一人、巫女たる少女だけが投降を進言したが、みなは戦いを選び、そして死んだ。
もはやすべては気持ちの問題で、生き延びることは、とうに彼等の目的では無かった。
ひとりきりになった少女は、影の祠を訪れた。
――影なる神と少女は、古くからの友人だったから。
影なる神は常々宣っていた。
「生かす、殺すを選り好みするならまだしも、塔に生きるすべてを殺す程度、オレにとっては簡単だ」
だから、少女は迷わず祠を開けた。
手首を切って血を与え、言い伝えの通りその封印を解いた。
そう在ることが正しいか、間違っているかを考えるだけの余裕は、もうどこにもなかった。
影なる神は少女を抱き、囁く。
「キミの望みは?」
少女は瞳に凶星を宿し、叫ぶでもなく静かに言った。
「復讐を。」
――かくして、少女の望みは叶えられた。
塔は沈み、開拓民は皆死んだ。
直接的に原住民と抗争を行っていたものだけでなく、開拓が完了した土地に住まう老人、子供。立場を問わず全員が死んだ。
ふたりを乗せた飛空艇は、崩れ落ちる塔を横目に悠々と空を征く。
片や更なる復讐のため。片や暇つぶしの一環として。
「とりあえず、アキツシマとやらを目的地としようか。このフネじゃ些か目立つし」
「……どこまでいけるかな、わたしたち」
「どこまでだって行けるさ。なんせ、オレがついてるんだから」
「うん。……うん。そうだよね」
希望は潰え、すべてを失い、直接的な復讐は果たされた。もはや自分には何もない。帰る場所も、しがらみも。
だから、これから先の自分は、弓を引き放たれた矢のようなものだ。撃ち出されてしまったらもう、あとは祈るしかない。
遍く簒奪者を穿ち、ずっと、ずっと、ずっと先へ。
誰の手も、目も届かない遠くまで。
叶わないことと知りながら、返り血にまみれた顔で少女は頷き、仄かに笑った。
その笑みは擦り切れて、眼前の空のように澄んではいなかったけれど、虚勢によるものでも、ましてや絶望によるものでもなかった。
傍らに友達がいたから。
それだけは本当に、うれしかったから。
それだけのことで。それだけのために。それゆえに。
こぼれた笑みを、影なるカミは温度の知れぬ瞳でただ眺めていた。
畳む
ビガミ莉優さんの所属独自流派
《概要》
流派名:槿花第一高校地域復興委員会
条件:槿花町の元住民であること
流儀:地域復興のカギを見つける。
仇敵:隠忍の血統
首魁:彼方莉優
構成員:彼方莉優、ミカミセト
《設定》
槿花という都市にある公立校「槿花第一高校」の「地域復興委員会」を名乗る若い男女2人組。
「槿花」という地名も「槿花第一高校」という学校も地図上――ひいては、この世界には実在しない様だが、二人はそれらを探している。
「槿花市」は、これまで隠忍の血統が執り行ったシノビガミ復活の儀式のうちの、些細なひとつにより滅びた土地。
出島が「封鎖された」区域とするならば、槿花町は「失われた」区域。
空間が丸ごと押しつぶされる形で消滅したため、現代には"存在しない"。
かつて存在したことを覚えている人間もいない。
莉優は空間が押し潰される過程で発生した歪みに巻き込まれ、奇跡的な確率で外にはじき出され生還。
しかし、ほんの一瞬ではあるものの忍神を目撃。また、「 」に触れてしまったためシノビとしての力が開花することとなる。
セトの正体は不明。
二人は、槿花市を取り戻す方法を探し、日本中を旅している。
《ミカミセト》
槿花の土地神。
槿花があり得ない方法で消滅したことを逆手に取り、「槿花は偏在している」という拡大解釈でもって外界へ顕現し、莉優と共に暮らしている。
滅びより莉優を生かしたのは彼の力。理由は、彼女が幼少期よりの「話し相手」であるため。(つまりは「 」に触れる前から「そういった素養」はあったということになる。)
寂れた祠の狐神で、元々「存在する」のがせいぜい。強い権能は持たなかったのだが、現在は莉優という「力ある者」の強い信仰によりむしろ強化され、一般シノビ相当の力は振るえるようになっている。
莉優の幸福を祈っている訳でも不幸を祈っている訳でもない(どっちに転んでもおいしい)が、唯一の関心対象なので存在はしてほしいと思っている。
あと信仰は絶やされると死ぬので廃人ルートはちょっと困る。
槿花復興はまあ、ぶっ壊された家が戻ってくるならそれに越したことはないよね、くらいの感覚。
莉優がやりたいって言ってるので協力している程度。
別の世界の莉優さん
《プロフィール》
きほん元気。たまに不穏。
みためよりは思慮深いぞ!
5年前に起きた"消滅区域"の"災害"の、数少ない生き残り。
現在は高校に通いつつ、戦闘員的な役割でパルテノン末端に所属しているほか、趣味で配信活動を行っている。
家族は"災害"で失っているため、国支給の被災者支援金とパルテノンからの給与、配信の収益で一人暮らし中。
①"消滅区域"に関する情報収集
②「全聖遺物の無力化(破壊/完全封印)」へ向けた足がかり
③「聖遺物回収/管理による被害の最小化」の理念へ共鳴
④Revealerのテロの防止
を理由として、パルテノンに所属し活動している。
上層部にしかできないこと、知り得ないことが多いので、とりあえず出世したいらしい。
《異能》
『螢石の杖(フローライトロッド)』 異能系統:信仰(聖遺物[土着級・原典])
聖印と携帯神殿を兼ねる石の杖。
所持者は杖に宿る名も知れぬ神と契約を結び、信仰を対価に権能の一部を借り受ける。
基本的には石を生成し操作する能力。
障害物の生成、浮遊盾として自分や味方へ付与、薄い刃にして飛ばすことで攻撃、敵の足と地面を固定して移動妨害……等。
意志の杖、でもあるので精神正常化能力もある。
見た目が魔術めいているので精霊系統に誤認されがち。
外見は大きな蛍石がはめこまれた杖で、普段はペンダント状に変形している。
《来歴》
5年前の災害の生き残り。
消滅区域時代はごくごく普通の子供。未就学児時代は人見知りだったかも。
"災害"以降は国営の児童養護施設で育つ。
生存者であるという事実や杖の関係、パルテノンからの接触は当時から多かった模様。
《思想》
「聖遺物は人間の手に余るものなので、最終的にはひとつ残らず無力化(破壊/完全封印)すべき」という思想を持つ。
すぐにそれが出来るわけではないのは理解しているため、「回収/管理」を掲げるパルテノンの理念に共鳴し行動している。
《配信活動》
高校入学と同時期に趣味の一環として配信活動を始めた。
個人で活動しており、名義はliyu。普通に顔出ししてる。
活動内容はしゃべったりゲームしたり歌って踊ったり。個人だけどギリギリ収益化ラインに乗っているくらいのイメージ。
《対各組織》
・パルテノン
雇い主。
所属までの流れは凡そ、"災害"以降の接触の中での成り行き。
受けた動機は「理念への共感」「全聖遺物無力化の第一歩」「"災害"についての情報収集」「収入源の確保」「螢石の杖を合法的に所有したい」「Revealerを壊滅させるため」等。
"災害"について、何か隠されているのは察している。
諸々の目的のため、とりあえずはパルテノンの中で出世することを目標としているらしい。
・Revealer
明確に仇敵。
あんな気持ちになるべき人なんて一人もいない。
だから止める。
・対異能対策課
なんだかんだ協力者。
色々と気にかけてくれていることを肌で感じているので感謝している。
《"災害"》
wiki内「消滅区域」の項目を参照のこと。
ただし、彼方莉優は青銅の鍵のことも天秤のことも何も知らない。
故に心のどこかで「空間が切り離されただけで、故郷やそこに居る人々はまだ存在しているのではないか」という望みを抱いている。
"災害"の情報を集めるのは行動指針の一番上。
《螢石の杖》
元々はとある祠の御神体であり大きな蛍石だったが、"災害"の折に彼方莉優と契約を行うことで杖となった。
「女児向けアニメの杖」の様な意匠は、幼少期の莉優が話していたのを思い出した神様の遊び心。
杖になる前は自我を持ち喋っていたのだが、権能を持つ(杖になる)代償としてそれらの能力は喪われている。
彼方莉優は、その「喪失」を「消滅区域に取り残された」と解釈しており、再会の可能性をある程度想っているが、実際には不可逆。
聖印と携帯神殿を兼ねており、神使たる契約者(莉優)や杖の齎す奇跡への「信仰(信頼/信用)」を「神への信仰」と置き換える性質を持っている。
時間経過により異能が成長するのは、莉優の成長により「引き出せる権能の幅」が上がると同時に、周囲の(莉優への)信仰力により「杖自体の出力」が上がっているため。
《祠》
"消滅区域"内の山の中腹に位置する、蛍石坑道の入口脇に置かれた祠。御神体は大きな蛍石。
採掘の安全を祈願する目的で作られたもので当初は信仰を集めていたものの、鉱脈が枯れ、坑道が閉鎖されて以降訪れる者はほとんど居なくなった。
彼方家が山の管理者なので、幼少期の莉優は庭の延長の様な感覚で坑道周辺を歩いており、なんやかんやで喋る石こと御神体と友達的な感じになるなど。
莉優が"災害"の際生き残ったのは、祠近くにいたことで神との契約を行う機会を得たため。
彼方莉優は「"災害"からの生存」を願い、対価として「生涯神の神使として生きること」を請け負っている。
曲がりなりにも山の守護神の神使である、という自負が彼女の在り方にまあまあ影響している、かもしれないし、そうでもないかもしれない。
ロウェル・カレッジのリユさんの設定
《リユとセトについて》
アキツシマより幾分か離れた場所に、小さな塔があった。
塔には魔法文明時代の遺跡が残っており、中には魔法文明時代に罰として封じられた「セト」と、その看守「アカツキ」が眠っていた。
ふたりはアンティークであり、現在においては考えられない程様々な魔法を行使することが出来る。
アカツキ、セトは大崩壊が起きても目覚めなかったが、しばらくして塔に人が住み始めたころ、アカツキが「生命維持装置の魔力不足」により目覚めた。
「生命維持装置」には定期的に血液を補充せねばならず、それが尽きると封印(コールドスリープ)が解けるように設定されていた。
アカツキが施設から外に出ると、塔には大崩壊により技術を失った何も知らない人々が暮らしていた。
原住民はアカツキとセトが封じられた施設をご神体の様に信仰しており、祠から出て来たアカツキは神としてあがめられる事になる。
事実、当時の人々とアカツキでは技術においても魔術に置いても比べようが無いほど差があったので、ひとまずアカツキは神の立場を受け入れることとした。
アカツキは、民に戒律を教えた。
まず、邪神たるセトの祠は絶対に開かないこと。
何らかの事情によりセトの祠が開いてしまった時は、自動的にアカツキの祠も開くようになっているが、アカツキが現れない様であれば手動でアカツキの祠を開くこと。
そして、年に一度、アカツキとセトの祠に一定量の血液を捧げる事、というものだった。
目的は、自身とセトの生命維持装置を停めないため。
1年に1度であれば大した量の血液は必要無いので、人身御供というわけでもなく。
アカツキは信頼できる一族に血液を捧げる役目を託し、後にこの家系は神職の様に扱われる事となる。
アカツキは、一通りの教えを民に与えると、セトが目覚めてしまったときのためまたコールドスリープに戻った。
それからかなりの時が平和にすぎた。
ある時、この塔をヴィクトリア・シティの探空士が発見した。
探空士は航空ギルドを介してヴィクトリア・シティへこの塔を売り、ヴィクトリア・シティはこの塔を開拓すべく開拓民を送り込んだ。
原住民と開拓民の争いは日に日に苛烈さを増していく。
そんな世界を、巫女として生きていたのがリユだった。
集落の奥の社にて巫女はひとり祈る。
仲間の無事を。自分たちの安寧を。
戦地へ赴く戦士へ祝福を授けるのも巫女の役目だった。
戦士の両手を取り、「無事戻りますように」と。
巫女にはちょっとした未来視の能力があった。
毎日毎日、死ぬことが分かり切った民を。時によっては友や家族を、微笑み、激励し、送り出していた。
送り出さなければ、近くもっと多くの人が死ぬのだと理解していた。
日に日に人員を失っていくなか、ある日、原住民の一派がアカツキの祠を破壊した。
引きずり出されたアカツキは彼等に連れられるがまま前線に出たが、装置の破壊により強制的に目覚めさせられた身体では万全の力は振るえず、敵の砲撃で殺された。
神は死に、憤った民は愚かにもまた武器を握った。
唯一人、巫女たる少女だけが投降を進言したが、みなは戦いを選び、そして死んだ。
もはやすべては気持ちの問題で、生き延びることは、とうに彼等の目的では無かった。
ひとりきりになった少女は、影の祠を訪れた。
――影なる神と少女は、古くからの友人だったから。
影なる神は常々宣っていた。
「生かす、殺すを選り好みするならまだしも、塔に生きるすべてを殺す程度、オレにとっては簡単だ」
だから、少女は迷わず祠を開けた。
手首を切って血を与え、言い伝えの通りその封印を解いた。
そう在ることが正しいか、間違っているかを考えるだけの余裕は、もうどこにもなかった。
影なる神は少女を抱き、囁く。
「キミの望みは?」
少女は瞳に凶星を宿し、叫ぶでもなく静かに言った。
「復讐を。」
――かくして、少女の望みは叶えられた。
塔は沈み、開拓民は皆死んだ。
直接的に原住民と抗争を行っていたものだけでなく、開拓が完了した土地に住まう老人、子供。立場を問わず全員が死んだ。
ふたりを乗せた飛空艇は、崩れ落ちる塔を横目に悠々と空を征く。
片や更なる復讐のため。片や暇つぶしの一環として。
「とりあえず、アキツシマとやらを目的地としようか。このフネじゃ些か目立つし」
「……どこまでいけるかな、わたしたち」
「どこまでだって行けるさ。なんせ、オレがついてるんだから」
「うん。……うん。そうだよね」
希望は潰え、すべてを失い、直接的な復讐は果たされた。もはや自分には何もない。帰る場所も、しがらみも。
だから、これから先の自分は、弓を引き放たれた矢のようなものだ。撃ち出されてしまったらもう、あとは祈るしかない。
遍く簒奪者を穿ち、ずっと、ずっと、ずっと先へ。
誰の手も、目も届かない遠くまで。
叶わないことと知りながら、返り血にまみれた顔で少女は頷き、仄かに笑った。
その笑みは擦り切れて、眼前の空のように澄んではいなかったけれど、虚勢によるものでも、ましてや絶望によるものでもなかった。
傍らに友達がいたから。
それだけは本当に、うれしかったから。
それだけのことで。それだけのために。それゆえに。
こぼれた笑みを、影なるカミは温度の知れぬ瞳でただ眺めていた。
畳む